📌 金融所得総合課税とは?
年間の利子所得と配当所得を合算した金融所得が 2,000 万円を超えると、超過分を他の総合所得(勤労・事業所得など)と合算して総合所得税を申告する必要があります(所得税法第 14 条第 3 項、第 62 条)。
💡 比較課税の算出税額の決定方法
① 総合課税の算出税額 = 2,000 万円×14% + 累進税率×(2,000 万円超の金融所得 + Gross-up 加算額 + 他の総合所得金額 − 総合所得控除) − 配当税額控除
② 分離課税(比較)の算出税額 = 金融所得全体×14% + 累進税率×(他の総合所得金額 − 総合所得控除)
→ ①、②のうち より大きい金額 が最終算出税額です(所得税法第 62 条の比較課税)。これは、総合課税の対象者に少なくとも源泉徴収税率(14%)水準の税負担を求めるための仕組みです。
🏛️ Gross-up(配当加算)の反映
• 2,000 万円の上限は、利子所得 → 一般配当 → Gross-up 対象配当の順に充当され、その超過分だけが総合課税に切り替わります
• Gross-up 対象配当の超過分に 11%を加算して総合所得課税標準に含め、同額を配当税額控除として算出税額から差し引きます
• 配当税額控除には上限規定があり(比較課税の趣旨上、分離課税の税額を下回らないよう調整)、実際にはこの計算機より税額がやや高く出る場合があります
⚠️ 注意事項
• 非営業貸付金利子(27.5%)は、この計算機では一般の利子所得と区別せず簡略化しています
• 地方所得税(10%)は最終算出税額に別途加算して表示します
• 本計算機は参考用であり、実際の申告税額は国税庁ホームタックスの模擬計算または税務専門家で確認してください
• 出典:所得税法第 14 条・第 17 条・第 56 条・第 62 条
📊 金融所得総合課税計算機
利子・配当所得の合計が年 2,000 万円を超えると、総合課税の算出税額と分離課税(比較)の算出税額のうち、より大きい金額(比較課税)が最終税額になります。Gross-up(配当加算 11%)・配当税額控除を反映して計算します。
✅ 年間金融所得(利子+配当)の合計が 2,000 万円以下のため、源泉徴収(15.4%)で分離課税が完結します。総合課税の比較は不要です。
| 方式 | 算出税額(国税) | 備考 |
|---|---|---|
| ① 総合課税方式 | — | 2,000 万円×14% + 累進税率(超過金融所得+Gross-up 加算 + 他の総合所得 − 控除) − 配当税額控除 |
| ② 分離課税(比較)方式 | — | 金融所得全体×14% + 累進税率(他の総合所得 − 控除) |
金融所得総合課税の計算案内
金融所得総合課税は、なぜ「比較」課税なのか?
金融所得総合課税は、単に累進税率を適用するのではなく、総合課税で計算した算出税額と、源泉徴収税率(14%)のみを適用した分離課税の算出税額を比較して、より大きい金額を最終税額として決めます(所得税法第 62 条)。こうする理由は、総合課税に切り替わっても少なくとも源泉徴収水準の税金は負担させ、高所得の金融所得者が各種控除によって税負担を源泉徴収税率より低くするのを防ぐためです。
Gross-up と配当税額控除の関係
国内法人の配当は、すでに法人税を支払った利益から支払われるため、個人の配当所得税と二重課税の問題があります。これを調整するため、総合課税に移行する国内法人配当(Gross-up 対象)には 11%を加算して総合所得の課税標準を高め、算出税額計算後に同額を配当税額控除として差し引きます。結果として、配当所得者は累進税率区間に応じて、実際の法人税二重課税調整効果を異なる形で感じることになります。
2,000 万円超の判定と所得の順序
2,000 万円基準は利子所得と配当所得を合算して判定し、上限は税法上、利子所得 → Gross-up 非対象配当 → Gross-up 対象配当の順に埋まります。つまり、利子所得で 2,000 万円をすでに満たしている場合、配当所得はすべて総合課税対象の超過分となり、Gross-up 対象配当がある場合は最も後に超過分として計算され、11%加算の対象になります。